النبإ

 

An-Naba

 

The Tidings

1 - An-Naba (The Tidings) - 001

عَمَّ يَتَسَآءَلُونَ
彼ら(不信仰者*たち)は何について、尋ね合っているのか?

2 - An-Naba (The Tidings) - 002

عَنِ ٱلنَّبَإِ ٱلۡعَظِيمِ
偉大なる消息[1]について(、である)。
[1] 「偉大なる消息」とは、死後の復活を伝えるクルアーン*のこと(ムヤッサル582頁参照)。

3 - An-Naba (The Tidings) - 003

ٱلَّذِي هُمۡ فِيهِ مُخۡتَلِفُونَ
彼らはそこにおいて、意見を異にしている[1]。
[1] 「意見を異にしている」には、「ある者はそれを嘘と決めつけ、またある者はそれを疑った」「それを魔術、詩、占い師の言葉などと異なる言葉で表現した」「ある者はそれを信じ、ある者はそれを信じなかった」といった解釈がある(イブン・ジュザイ2:527-528参照)。

4 - An-Naba (The Tidings) - 004

كَلَّا سَيَعۡلَمُونَ
断じて(、復活は嘘では)ない!やがて、彼らは(自分たちが噓呼ばわりしたことの結末を、)知ろう。

5 - An-Naba (The Tidings) - 005

ثُمَّ كَلَّا سَيَعۡلَمُونَ
更に、断じて(、復活は嘘では)ない!やがて、彼らは(自分たちが噓呼ばわりしたことの結末を、)知ろう。

6 - An-Naba (The Tidings) - 006

أَلَمۡ نَجۡعَلِ ٱلۡأَرۡضَ مِهَٰدٗا
われら*は大地を、(平坦な)寝床(のよう)にはしなかったのか?

7 - An-Naba (The Tidings) - 007

وَٱلۡجِبَالَ أَوۡتَادٗا
また、山々を(堅固な)杭のように?

8 - An-Naba (The Tidings) - 008

وَخَلَقۡنَٰكُمۡ أَزۡوَٰجٗا
また、われら*はあなた方を(様々な)種類[1]に創造し、
[1] この「種類」の解説には、「男女」「様々な色」「美醜(びしゅう)、背の高低など、対になった、あらゆる種類のこと」といった諸説がある(アル=クルトゥビー19:171参照)。

9 - An-Naba (The Tidings) - 009

وَجَعَلۡنَا نَوۡمَكُمۡ سُبَاتٗا
あなた方の眠りを休息とし、

10 - An-Naba (The Tidings) - 010

وَجَعَلۡنَا ٱلَّيۡلَ لِبَاسٗا
夜を衣とし、[1]
[1] 識別章47の訳注も参照。

11 - An-Naba (The Tidings) - 011

وَجَعَلۡنَا ٱلنَّهَارَ مَعَاشٗا
昼を生計(の手段)とし、

12 - An-Naba (The Tidings) - 012

وَبَنَيۡنَا فَوۡقَكُمۡ سَبۡعٗا شِدَادٗا
あなた方の上に、(割れ目一つない)強固な七層(の天)を築き上げ、

13 - An-Naba (The Tidings) - 013

وَجَعَلۡنَا سِرَاجٗا وَهَّاجٗا
煌々とした灯火[1]を置き、
[1] この「灯火」については、識別章61の訳注を参照。

14 - An-Naba (The Tidings) - 014

وَأَنزَلۡنَا مِنَ ٱلۡمُعۡصِرَٰتِ مَآءٗ ثَجَّاجٗا
絞り時のもの(雨を湛えた雲)から、ざあざあという雨を降らせた。

15 - An-Naba (The Tidings) - 015

لِّنُخۡرِجَ بِهِۦ حَبّٗا وَنَبَاتٗا
(それは)われら*がそれで、(人が食べる)種粒と(家畜が食べる)植物を生え出させるため。

16 - An-Naba (The Tidings) - 016

وَجَنَّـٰتٍ أَلۡفَافًا
そして、(いくつもの枝が交差して)重なり合った農園を。

17 - An-Naba (The Tidings) - 017

إِنَّ يَوۡمَ ٱلۡفَصۡلِ كَانَ مِيقَٰتٗا
本当に裁決の日[1]はもとより、時が定められている。
[1] 「裁決の日」については、整列者章21の訳注を参照。

18 - An-Naba (The Tidings) - 018

يَوۡمَ يُنفَخُ فِي ٱلصُّورِ فَتَأۡتُونَ أَفۡوَاجٗا
角笛に吹き込まれ[1]、あなた方が(各々、自分たちの指導者と共に)集団でやって来る日は。
[1] 「角笛に吹き込まれる」については、家畜章73の訳注を参照。尚、これは復活を知らせる一吹きのこと(ムヤッサル582頁参照)。

19 - An-Naba (The Tidings) - 019

وَفُتِحَتِ ٱلسَّمَآءُ فَكَانَتۡ أَبۡوَٰبٗا
また(その日、)天は開かれ、(天使*が降臨するための)いくつもの扉(を有するもの)となり、

20 - An-Naba (The Tidings) - 020

وَسُيِّرَتِ ٱلۡجِبَالُ فَكَانَتۡ سَرَابًا
山々は動かされ、(それから粉々にされて)蜃気楼のようになる。[1]
[1] 復活の日*の天変地異の様子については洞窟章47、ター・ハー章105-107、蟻章88、山章9-10、出来事章5-6、衣を纏(まと)う者章14、階段章8-9、巻き込む章3、衝撃章4-5も参照。

21 - An-Naba (The Tidings) - 021

إِنَّ جَهَنَّمَ كَانَتۡ مِرۡصَادٗا
本当に地獄はもとより、(不信仰者*たちに対する)見張りの場である。

22 - An-Naba (The Tidings) - 022

لِّلطَّـٰغِينَ مَـَٔابٗا
(それは、不信仰において)度を越した者たちの、帰り場所なのだ。

23 - An-Naba (The Tidings) - 023

لَّـٰبِثِينَ فِيهَآ أَحۡقَابٗا
彼らはそこに長期間、留まる身の上。

24 - An-Naba (The Tidings) - 024

لَّا يَذُوقُونَ فِيهَا بَرۡدٗا وَلَا شَرَابًا
彼らはそこで、(暑さを冷ます)冷たさも(、喉を潤す)飲み物も、味わうことがない、

25 - An-Naba (The Tidings) - 025

إِلَّا حَمِيمٗا وَغَسَّاقٗا
煮えたぎる湯と膿汁[1]の外は。
[1] 「膿汁」については、サード章57の訳注を参照。

26 - An-Naba (The Tidings) - 026

جَزَآءٗ وِفَاقًا
(それらは、彼らの現世での行いに)相応しい報いとしてのもの。

27 - An-Naba (The Tidings) - 027

إِنَّهُمۡ كَانُواْ لَا يَرۡجُونَ حِسَابٗا
本当に彼らは、清算を望んでおらず、[1]
[1] この「望む」に関しては、ユーヌス*章7の同語についての訳注も参照。

28 - An-Naba (The Tidings) - 028

وَكَذَّبُواْ بِـَٔايَٰتِنَا كِذَّابٗا
われら*の御徴[1]をひどく嘘呼ばわりし、
[1] クルアーン*のアーヤ*を始めとした、アッラー*からの「御徴」のこと(アッ=シャウカーニー5:486参照)。

29 - An-Naba (The Tidings) - 029

وَكُلَّ شَيۡءٍ أَحۡصَيۡنَٰهُ كِتَٰبٗا
そしてわれら*は、全ての物事を書で数え尽くしておいた[1]のだから。
[1] ヤー・スィーン章12とその訳注も参照。尚、この「書」の解釈には、「天使*たちが書き留める、行いの帳簿(ちょうぼ)」「守られし碑板*」という説がある(アル=クルトゥビー19:182参照)。

30 - An-Naba (The Tidings) - 030

فَذُوقُواْ فَلَن نَّزِيدَكُمۡ إِلَّا عَذَابًا
ならば(不信仰者たちよ、自分たちの行いの応報を)味わえ。われら*はあなた方に、懲罰以外の何も上乗せはしまい。

31 - An-Naba (The Tidings) - 031

إِنَّ لِلۡمُتَّقِينَ مَفَازًا
本当に敬虔*な者たちには、勝利の場がある。

32 - An-Naba (The Tidings) - 032

حَدَآئِقَ وَأَعۡنَٰبٗا
農園、葡萄、

33 - An-Naba (The Tidings) - 033

وَكَوَاعِبَ أَتۡرَابٗا
(彼女ら自身が互いに)同い年の、胸もふっくらとした女たち、

34 - An-Naba (The Tidings) - 034

وَكَأۡسٗا دِهَاقٗا
(酒*で)満杯の[1]盃が。
[1] ほかにも、「次々とやって来る」「澄(す)んだ」といった解釈もある(アル=バガウィー5:202参照)。

35 - An-Naba (The Tidings) - 035

لَّا يَسۡمَعُونَ فِيهَا لَغۡوٗا وَلَا كِذَّـٰبٗا
彼らはそこで、戯言[1]も嘘の言い合いも、耳にすることがない。[2]
[1] 「戯言」については、信仰者たち章3の同語の訳注を参照。 [2] 山章23と、その訳注も参照(イブン・カスィール8:308参照)。

36 - An-Naba (The Tidings) - 036

جَزَآءٗ مِّن رَّبِّكَ عَطَآءً حِسَابٗا
(それらは全て、)あなたの主*からの報い、ふんだんなる贈り物としてのもの。

37 - An-Naba (The Tidings) - 037

رَّبِّ ٱلسَّمَٰوَٰتِ وَٱلۡأَرۡضِ وَمَا بَيۡنَهُمَا ٱلرَّحۡمَٰنِۖ لَا يَمۡلِكُونَ مِنۡهُ خِطَابٗا
諸天と大地、その間にあるものの主*、慈悲あまねき*お方(からの)。彼らはかれに対し、(お許しを授かった者以外、)語りかけることが出来ない、[1]
[1] 復活の日*に「話すこと」については、夜の旅章97の訳注も参照。

38 - An-Naba (The Tidings) - 038

يَوۡمَ يَقُومُ ٱلرُّوحُ وَٱلۡمَلَـٰٓئِكَةُ صَفّٗاۖ لَّا يَتَكَلَّمُونَ إِلَّا مَنۡ أَذِنَ لَهُ ٱلرَّحۡمَٰنُ وَقَالَ صَوَابٗا
魂[1]と天使*たちが、列をなして立つ日に。慈悲あまねき*お方が(執り成し[2]を)お許しになり、正しいこと[3]を語った者しか、話すことはないのだ。
[1] この「魂」は、ジブリール*のこととされる(ムヤッサル583頁参照)。「魂」と呼ばれている所以については、マルヤム*章17の訳注を参照。 [2] 復活の日*の「執り成し」については雌牛章48、マルヤム*章87、ター・ハー章109とその訳注を参照。 [3] 「正しいこと」の筆頭が、シャハーダ*の言葉である(イブン・カスィール8:310参照)。

39 - An-Naba (The Tidings) - 039

ذَٰلِكَ ٱلۡيَوۡمُ ٱلۡحَقُّۖ فَمَن شَآءَ ٱتَّخَذَ إِلَىٰ رَبِّهِۦ مَـَٔابًا
それは、(必ずや起こる、)真実の日。ならば、誰でも(その日の救いを)望む者には、(正しい行い*により、)自らの主*を帰り場所とさせるのだ。

40 - An-Naba (The Tidings) - 040

إِنَّآ أَنذَرۡنَٰكُمۡ عَذَابٗا قَرِيبٗا يَوۡمَ يَنظُرُ ٱلۡمَرۡءُ مَا قَدَّمَتۡ يَدَاهُ وَيَقُولُ ٱلۡكَافِرُ يَٰلَيۡتَنِي كُنتُ تُرَٰبَۢا
本当にわれら*は、あなた方に間近に迫った懲罰を警告した。人が、自分が行った(全ての)ことを目にし、不信仰者*が(清算の恐怖ゆえ、)「ああ、私が土であったらよかったのに![1]」という日の(懲罰を)。
[1] その日、人間は懲罰を目にし、自分が現世で(清算を受ける必要のない)土であったならば、と望む。あるいは、その日は動物でさえも集められ、公正な裁きを受けるが、それらはその後に懲罰を受けることなく土と化す。彼らは、自分たちもそのような存在であったなら、と望むのだという(前掲書8:310-311参照)。

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